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日本のECサイトの現状/ITによる強化ポイントと各企業の取り組み事例を紹介

今回は「小売業のECサイト強化」についてと各企業の取り組みをご紹介します。

小売業のITによるECサイト強化は将来どのようになるのか?

国内BtoC-ECの3つの分野の動向 (物販系/サービス系/デジタル系)

国内BtoC-ECの「物販系」「サービス系」「デジタル系」の3つの分野の2023年の市場規模の合計は24兆8,435億円となり、対前年比で9.23%の伸び率でした。

出典:ebisumart 株式会社インターファクトリー https://ebisumart.com/blog/ec-rate/

スマートフォン経由の物販系分野のBtoC-EC市場拡大

消費者の日常にスマートフォンが浸透したことで、電子マネーやクレジットカードによる決済への抵抗感よりも利便性を求めるニーズのほうが高まっている点も、スマートフォン経由の市場規模拡大を後押ししています。
スマートフォン経由の物販系分野のBtoC-EC市場規模は、2023年に58.7%になり6割に迫る勢いです。今後、スマートフォン経由の消費行動が減ることは考えづらいですが、高額商品の物販購入や入力項目の多い旅行サービスなどはパソコン経由で購入したいというニーズも一定数あります。

出典:ebisumart 株式会社インターファクトリー https://ebisumart.com/blog/ec-rate/

ECサイトの売上を作るための根本的な考え方

ECサイトを成功させるためには、まずは売上がどのように成り立つのか根本的な考え方を知っておく必要があります。
上記は知っておくべき、ECサイトの売上の方程式です。訪問者数はECサイトに訪れた人の数なので、アクセス数ともいえます。購入率は、サイトを訪れた人のうち何人がアクション(ECサイトであれば購入)をしたかの割合です。客単価は、ユーザー1人あたりの平均購入価格になります。ECサイトの売上をアップさせようと思った際に上記の方程式を理解しておかないと、間違った売上対策をしてしまうことになります。たとえば「アクセス数は十分だが購入率が低い」状態であるにもかかわらず、広告を出すなどアクセス数を上げる施策をしても、売上にはつながりません。

出典:よむよむカラーミー GMOペパボ株式会社 https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/88772

売れるECサイトの基本的な施策

  • 1.集客(広告やSNS運用)

    集客(お店の告知)をすることでサイトの認知度が上がり、売上につながります。ECサイトに集客するには、InstagramやX (旧Twitter)、FacebookなどのSNSの運営や、ECサイトの広告を出すといった方法があります。SNSはそれぞれ特徴が異なるため、集客に利用する場合は使い分けが大切です。また、SEO対策を実施して、検索性を高めることも重要です。

  • 2.サイトのデザイン

    ユーザーへショップを魅力的に見せると同時に、購入しやすさも両立したサイトでなければなりません。いくらデザインが優れていても「商品が探しにくい」「文字が読みにく」「購入ボタンが見つからない」といった理由で、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまいます。そのため、直感的に操作できたり、目的の商品へ効率よくアクセスできるデザインにすることで、ユーザーの迷走や離脱を防ぎ、購入への導線を確保できます。

  • 3.カゴ落ち防止対策

    カゴ落ちとは、ECサイトを訪問したユーザーが商品をカートに入れたにもかかわらず、購入しないままサイトから離脱することです。実際にECサイトで7割のユーザーがカゴ落ちをしているともいわれており、対策は必須です。 カゴ落ちの理由としてはさまざまありますが、「購入までのプロセスが長すぎた」といったデザイン面が原因で購入を止めてしまうことはよくあるので、購入までのステップを極力少なくするなどの工夫が求められます。

  • 4.顧客維持/他社との差別化

    2024年6月時点で、日本国内のECサイトは少なく見積もっても100万店舗以上あるといわれています(市場規模から推測)。 そのため、ECサイトを出店するだけではなく他社と差別化することが必須といえます。 例えば同じ商品を販売していても他社よりも安く提供したり、早く提供したりといったことも差別化といえます。また、顧客とコミュニケーションを取り関係を構築する方法はいくつかありますが、口コミもその1つです。

出典:よむよむカラーミー GMOペパボ株式会社 https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/88772

各企業の取り組み事例をご紹介

CROOZ SHOPLIST株式会社様/検索エンジンZETA SEARCH導入で検索利用率を140%増加

CROOZ SHOPLIST株式会社はファッション通販サイト『SHOPLIST.com by CROOZ』を運営。自社で検索エンジン構築/更新をしていた。一つ辞書更新するだけでも商品の露出が大きく変わるなど、メンテナンスが必要だが、検索エンジンに特化したスキル人材の確保が課題でした。そこで、「ZETA SEARCH」を導入した。その結果、開発スピードアップや検索速度向上、こだわり検索を実現し、セグメンテーションを細分化することで適切な並び順になり、その人にあったものが表示されるようになり、検索利用率を140%増加したとのことです。

出典:MIRA-EC ZETA株式会社https://www.ecsite-cx.com/case-study/interview-1.html

KATO`/GRANDMA MAMA DAUGHTER様/株式会社これから様が魅力的サイト制作

「KATO`」「/GRANDMA MAMA DAUGHTER」2つのブランドをもつアパレルECサイトです。トップのカルーセルバナーに「MENS」と「LADIES」の商品一覧ページへ遷移するボタンが設置されています。「MENS」と「LADIES」のボタンが目の前にあるので、サイト内を探さずとも、すぐに自分の求める商品にたどり着くことができる探しやすいレイアウトになっています。

出典/画像:株式会社これから https://corekara.co.jp/contents/sales-up/ec-jirei/

ショップジャパン様/「VeContact」でクライアント継続率を90%に

ショップジャパンは、近年はカタログ、小売店、Webなども加わり、テレビ通販から脱却したライフスタイルブランドとして成長を遂げている。Ve Japanのリマーケティングメール「VeContact」を導入した。フォームページで離脱(カゴ落ち)したユーザーに対してリマーケティングメールを送ることでCV誘導を行い、クライアントの継続率は90%を越える効果を得ているそうです。

出典/画像:ECのミカタ編集部 https://ecnomikata.com/ecnews/14923/

資生堂様/「バーチャルメイク機能」で差別化

資生堂は、「ワタシプラスby資生堂」というECサイトを運営しています。ワタシプラスby資生堂では、商品の販売だけでなく、コスメのさまざまなコンテンツを配信しています。ECサイト内には「バーチャルメイク機能」という人気のコスメを試せる機能もあるため、実際の使用感を試せます。

出典:StockSun株式会社 https://stock-sun.com/column/ecsite-marketing/
画像:株式会社 資生堂 https://www.shiseido.co.jp/sw/simulation/index_pc.html

まとめ

今回は、国内BtoC-ECの3つの分野の動向、物販系分野でのスマートフォン経由のBtoC-EC市場が拡大していること、ECサイトの売上を作るための根本的な考え方に基づき、売れるECサイトの基本的な施策をご紹介し、各カテゴリーから事例を簡単にご紹介いたしました。ご興味をお持ちの領域についての詳細は、各サイトをご確認いただければ幸いです。実店舗をお持ちの方々も、EC市場参入は続いております。小売店の売上向上の参考にして頂けますと幸いです。

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