小売業向けAIチャットボット導入メリットと各企業の取り組み事例を紹介
今回は「小売業向けAIチャットボット導入メリット」についてと各企業の取り組みをご紹介します。
最近注目の小売業でのAIチャットボットとは?
AIチャットボットとは

チャットボット(chatbot)とは、英語で雑談・会話を表す“chat”と、ロボットを表す“bot”を組み合わせた言葉で、人間との会話を模倣する「自動会話プログラム」を指し、通常はオンラインで使用されます。AIの技術によって、ユーザーとの対話の内容を理解し、適切な応答を生成します。チャットボットは「問い合わせ対応」や「マーケティング支援」に利用されることが多く、最近は社内DXの手段として導入する企業も増えています。
画像出典: https://vti.com.vn/ja/the-application-of-ai-in-retail
チャットボット市場の現状と成長率
MarketsandMarkets(マーケッツアンドマーケッツ)が2024年4月に出版したレポートによると、AI チャットボットの2023年の世界の市場規模は、およそ106億ドルであり、2024年は132億ドルにまで伸びることが予測されています。また、その後さらに成長率は上昇し、予測期間中の年間平均成長率は24.9%になると予測されています。
日本においてもチャットボットの導入は急速に進んでおり、2023年の国内市場規模は前年度比16.5%増の約111億8,000万円となりました。2024年は19.0%増が見込まれ、2028年には230億円の規模になることが予測されています。
出典:https://x.gd/2xqoE
AIチャットボットを導入する7つのメリット
AIチャットボットを導入する7つのメリットをご紹介します。
- サポートコスト/工数の削減
これまで電話やメールですべて人が対応していた業務の一部を、チャットボットにより自動化することで、コールセンターや社内ヘルプデスクの運用にかかるコストの削減や、業務工数の軽減が可能です。 - いつでも必要な情報が得られる24時間対応窓口の実現
24時間対応可能な窓口として、ユーザーはいつでも必要な情報を得ることができ、疑問・トラブルがすぐに解決することで顧客満足度の向上が期待できます。 - ユーザー体験の向上
サイト内には回答があるにも関わらず回答を発見できないユーザーは非常に多いため、一般的な質問も多数寄せられます。しかし、チャットボットの設置で、ユーザーはわざわざページの隅々を探し回らなくても、チャット形式で回答できるので利便性が高まります。その結果、ユーザーは、素早く自分の求める情報にたどり着けるため、あらゆるユーザーの顧客体験を向上出来ます。 - 社内用の教育コンテンツとしての利活用
社内用のチャットボットで、入社したばかりの中途・新卒社員に業務に関する不明点や疑問点を回答するツールとして利用できます。チャットボットは何度でも同じ質問を気軽に入力できるため、新しい社員が気兼ねなく質問ができ、満足度も高まります。さらに、回答するベテラン社員側の手間も削減するため、会社全体としての生産性も向上します。 - ユーザーの声(VoC=Voice of Customer)を定量的に把握
電話やメールと違い、気軽に質問しやすいという特徴から、ユーザーが実際に抱えている疑問や課題についての質問ログを短期間で蓄積できます。さらに質問のテーマごとに質問回数も自動蓄積されるため、疑問を抱えるユーザーの規模を容易に定量化できます。 - 知見の集約と一元化、離職リスクの軽減
コールセンターに寄せられる質問や、社内の業務マニュアルに関する質問を受けた際に、人がすぐに回答できるようになるには多くの経験と時間が必要ですが、チャットボットは、長期的に知識レベルを保ったまま運用することができるというメリットがあります。 - コンバージョン率の向上
判らないことはチャットボットに質問して、ユーザーの疑問がすぐに解決することで、サイトからの離脱を防ぐという効果があります。ライトなユーザー層や、行動・意思決定前の、比較・検討段階のユーザーの取りこぼしを減らすという効果が期待できるのです。さらに、チャットボットは離脱を防ぐだけでなく、同時にCVRを向上させる効果があることも判っています。
出典:https://chatbot.userlocal.jp/document/blog/explain/
各企業の取り組み事例をご紹介
株式会社オールアバウトライフマーケティング様/導入2ヶ月で問合せ数が50%減
サンプリング事業やコマース事業を行う株式会社オールアバウトライフマーケティング様では、コールセンターへの電話問い合わせが多く、電話がつながりにくくなり、結果としてメールでの問い合わせが増え、メール返信に時間を要してまた電話が増えるという悪循環が発生していましたが、サポートチャットボットを導入して2ヶ月でメール問い合わせ数が50%減!顧客ニーズをダイレクトに把握できる効果も実感できたそうです。
出典:出典: https://chatbot.userlocal.jp/document/blog/explain/
株式会社ビックカメラ様/AIチャットボットで中国観光客への質問に対応
ビックカメラ様では、中国観光客の質問に答えるAIチャットボットである「AiME」を実験運用中。AiMEは中国で月間利用者10億人をほこるSNSアプリの「WeChat」と連携し、QRコードを読み取るだけで商品の売れ筋や在庫、価格および店舗のサービスなどに関する情報を提供することが可能です。
出典: https://ai-market.jp/industry/retailing_aikatsuyo/
ナノ・ユニバース株式会社様/AIチャットボットで売上20%増大
ファッションブランドの販売を行うナノ・ユニバース株式会社様では、ECサイトにAIを活用したチャットボットを導入することで顧客接点を有効活用し、売上拡大に繋がりました。ECサイトにお問い合わせフォームがありましたが、電話受付ができない深夜などでは対応レベルが下がり機会損失につながっていました。
この機会損失を防ぐために株式会社空色のチャットボットOK SKYを導入しました。その結果、オペレータによる電話応対が終了している時間でも顧客対応ができ、顧客満足度アップに繋がりました。
出典:画像: https://ai-market.jp/case_study/ai-chatbot-examples/
株式会社Aコープ様/お客様のリアルな声の収集に効果
株式会社Aコープ様では、上記の様な課題を解決できたとのことですが、チャットボットだと、他の方法では知ることが難しいお客さまのリアルな声を収集でき、私たちが普段当たり前にやっていることが意外と疑問に感じられていることが判り、内容だけではなく質問の数も記録することができるため、お客さまが何に対してどの程度興味や疑問を感じられているのかを客観的に把握することができます。これが、チャットボットの最大のベネフィットだと感じれれているようです。
出典: https://promo.digital.ricoh.com/chatbot/case/acoop/
各企業の取り組み事例をご紹介
今回は、最近小売業で注目の集まるAIチャットボットについて、一体どのようなものなのか、今後の国内での活用はどう伸びてゆくのか、また導入メリットにはどのようなものがあるのか、について整理をしました。まだまだ、成長途中ではありますが、人材不足や顧客満足度向上のためには、避けて通れない存在になる可能性が高いものです。実際、導入によってどのような効果が出ているのかを事例でご紹介しました。皆様におかれましても、さらなる事業成長に向けて、お持ちの課題を解決できるかもしれません。ご興味をお持ちの領域についての詳細は、各サイトをご確認頂き、小売店の売上向上の参考にして頂けますと幸いです。