ARの活用で購買体験を変える集客や購買行動をサポート
今後の店舗集客において注目される「AR(拡張現実)」についてご紹介します。ARのご説明、ARを店舗集客・購買行動サポート・購買意欲増長 等に活用する事例をご紹介します。
店舗集客回復に「AR」に注目
依然としてコロナ禍は続いておりますが、若年層も含めたワクチン接種者の増加もあり、日々の感染者数が数ヶ月前と比べ大きく減少しております。緊急事態宣言が解除されたことも相まって、商業施設を中心に人が増えてきております。引き続き厳重なコロナ対策は求められる状況ではありますが、小売店としては集客にも力を入れていきたいところです。
近年「店舗のショールーム化」等、店舗での体験を求める顧客をターゲットにした施策が目立ちますが、店舗での体験価値をさらに高める技術としてAR(拡張現実)に力を入れる企業も増えており、注目されています。
AR(拡張現実とは)
ARとは、何らかのデバイス(スマホ・タブレット等)を通じて現実にデジタルの情報を加え、いわば拡張された現実を作り出すことです。自分が見ている現実世界のフィールドに本来は存在しない情報を表示します。その技術を生かし、ゲームなどのエンターテインメントコンテンツをはじめ、インテリアや観光などの領域でもサービスが増えています。
ARが活用されている様々な業界
- 観光
訪問客に対する観光情報の提供や自動翻訳の分野に活用されています。その場所の歴史や地域の情報をリアルタイムでチェックしながら観光したり、多言語のテキストに自動翻訳をかけながらスムーズなコミュニケーションを取ったりと、観光に関する補助的な情報を取得するのに役立ちます。 - 建築・土木
大型の建設機械を運用予定の現場にARで表示させることで運用に問題がないか確認したり、地形をスキャンして掘削・盛土部分をAR表示したりと、複合的なAR活用をしています。 - アプリゲーム
ポケモンGO等のARを用いたスマホアプリゲームは現実世界のフィールドがゲームの進行に変化をもたらすため、ゲームの操作だけでなく、外出や旅行などを促進するケースもあります。
※参考:https://pretiaar.com/artimes/article/12101/#guanggaruAR_huo_yongno_ling_yu
ARの事例紹介
事例1.ARを活用した店舗体験(実験店舗でAR活用)
コクヨは8月、自社の文具などを販売する店舗「THE CAMPUS SHOP」(東京都港区)で、コロナ禍を受け買い物をオンラインで済ませる人が増える中、ARを活用し店内でユニークな体験ができるようにすることで、実店舗の集客につなげる施策を始めました。
店内で借りたタブレット端末のカメラで売り場を映し商品に近づくと、使い方の説明動画を表示したり、文具を使ったインテリアコーディネートの例を表示したりする機能を搭載しています。また、店内に敷かれた紙の上を歩くと、材質に応じて異なる音を再生するといったコンテンツも提供されます。他にも、様々な擬音語のARコンテンツが表示される等、ユニークな体験型店舗を実現しています。今後は来店者が自身のスマートフォンやタブレット端末でARコンテンツを視聴できる仕組みも検討するようです。
※参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2108/23/news096.html
事例2.アプリのAR機能で購買行動をサポート(自宅のスペースを計測してメモできる)
ニトリの「ニトリアプリ」は様々な便利機能を搭載し、ECと実店舗をシームレスにつなぐことでユーザーの購買行動をサポートしています。
自宅のスペースを計測してメモできる「サイズwithメモ」は、家具を置きたいスペースを画像に撮って、ARメジャーでサイズを計測してメモできる機能です。キッチンと冷蔵庫のあいだにできたスキマや、もともとある家具のサイズを計測し、画像にメモすることができます。実店舗ではこのメモを参考に商品選びをすることができます。
他にも「ネットショップでお気に入り登録した商品の在庫を確認して実店舗で購入する」「実店舗で商品バーコードを読み込んでネットショップで精算する」等、ニトリアプリを介することでECと実店舗がシームレスにつながる取り組みを進めています。
事例3.AR体験から物販に繋げる(AR活用の子どもの遊び「キッズーナ大宮店」)
10月25日~12月19日、イオンファンタジーが運営する「キッズーナ大宮店」に、子どもたちがタブレットを使用して遊ぶAR上の遊びのコンテンツを新規導入します。
店舗内でタブレットをかざすと実物大の動物がAR上で表示されます。普段会うことのできないクジラなどの生き物の真横に立つこともでき、実際の大きさを体験しながら記念写真を撮ることもできます。動物に関わる楽しいクイズもあり、生き物やモノへの興味を引き出し、それに関わる物販やデジタルコンテンツへの導入を促す新しいマーケティングの実証実験だといいます。
テナント内の他店舗で使用できるクーポンの配布もあり、テナント全体の集客にも繋がるような取り組みになっております。