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サービスの変化が進む店舗の有効活用・接触機会の低減

IT知識

新型コロナウイルスの影響により進められているサービスの変化についてご紹介します。小売・飲食店の現状や、店舗の有効活用・接触機会の低減を図る事例についてご紹介します。

店舗スペースの有効活用がこれからのテーマに(小売店はショールーム化、飲食店はオフィス転用)

コロナ禍での様々な業態が大きな影響を受けています。小売店はライブ配信で商品を紹介し、ECサイトと連携することで売上の維持を狙います。しかし、店舗での試着や体験をしてからでないと購入しづらい商品もあります。店舗をショールーム化することで体験の機会を用意し、その後の継続購入はECサイトへ促す等の対応をする店舗も出てきています。

飲食店業界では、セントラルキッチン方式など調理場を持たない形態でコンパクトに出店したり、EC経由でも販売を行うなど、販売チャネルの拡大を目指す方法が検討されています。また、客足が遠のく時間帯の店舗の活用方法にも工夫が見られます。特に苦戦がみられる居酒屋などの業態で、ランチと夜間営業間のデッドタイムを生かし、オフィス整理であふれたビジネスマンを吸収する受け皿として機能できないかという検討もされています。サブスクリプション方式でオフィス空間を縮小した企業に貸し出す、zoom飲みようの一人席を用意するなど、様々なサービスが出てきています。

自身の端末で注文ができる仕組み(大手小売業界が導入を進めているモバイルオーダーとは?)

近年、大手飲食店を中心に「モバイルオーダー」を導入する店舗が増えています。これまでも店舗側が用意した端末を使用し、料理をオーダーするシステムはありました。しかし、モバイルオーダーはこれまでの仕組みとは違い、使用端末は店側が用意したものではなく、スマホやタブレットなど、利用者自身が所有しているモバイルを活用する仕組みです。

モバイルオーダーに力を入れている企業として、マクドナルドが挙げられます。利用者は自分のモバイルにアプリをダウンロードし、自宅内や外出先から欲しい商品にチェックを入れてオーダーします。店側はモバイルを通して入ったオーダーに応じて商品を準備し、利用者が店に到着したちょうどよいタイミングで、商品の提供を行う、という流れです。

また、コロナの影響で営業を自粛していたバイキング方式のホテルレストランでは、利用者が食事を取りに行くのではなく、モバイルオーダーで食べたいものをオーダーし、スタッフが席まで持っていく形式を導入し、営業を再開させているケースもあります。

※参考:https://www.digital-transformation-real.com/blog/what-is-mobile-order.html

非接触決済を取り入れる食品スーパー(無人店舗・自前の決済アプリを導入)

広島の食品スーパー「フレスタ」では店舗運営の省力化を推し進めています。会計作業を短くし、従業員1人当たりの生産性を高める為と、非接触の会計方式を求めるお客様からの声に対応する為、年内に「無人店舗の実験」「自社スマホ決済サービス」を開始します。

無人店舗では、商品のバーコードをスキャンするスマホを設置し、スキャン終了後に画面に表示されたQRコードを精算機に読み込ませて会計する仕組みです。企業のオフィス内店舗などで需要があると考えられています。将来的には顧客自身のスマホで商品を読み込み、決済もスマホで完結させる構想もあるといいます。

自社スマホ決済アプリはこの9月より既に開始しています。フレスタの電子マネー「スマイルカード」と決済用のバーコードをスマホに表示し、代金を支払えるようにしました。これによりカードの受け渡しがなくなり会計作業がよりシンプルになり、また、アプリ内にクーポン配信機能を持たせることで、これまでの別アプリでの配信での課題であった、チェックされずに利用率が悪いという現状の改善を図ります。

※参考:日経MJ 9月4日

店舗とECサイトを複合した活用(店舗での接客・試着体験をスムーズにできる)

洋服の青山は、ネットとリアルの融合システム「デジタル・ラボ」を新たに10店に導入し、順次運用を開始します。「デジタル・ラボ」は、ネットの豊富な在庫とリアル店舗の接客サービスの両メリットを生かしたシステムです。店内には、同社のECサイトと連動するタッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置します。来店客は端末を通してECサイト上にある約1000万点以上の在庫から好みの商品を選ぶことができます。ECサイトは店舗の在庫とも連動し、全785店舗にある在庫を確認することが可能です。

画面上のキャラクタースタッフがビジネス・就職活動・結婚式といった利用者の着用シーン、サイズ・モデル・価格帯・色柄などの商品の絞り込みをサポートするデジタル接客、ランキング、コーディネーションのシミュレーション機能も備えています。利用者は店在庫をゲージ見本として試着や採寸を行い、実際の商品の色柄や着心地等を確認した上で購入できます。また、商品は配送となるため、後日店に商品を受け取りに行く手間も不要になります。

※参考:https://www.ryutsuu.biz/it/m090421.html

顧客体験価値を向上させるディスプレイ(博報堂プロダクツ/タッチパネルサイネージ、シースルーサイネージ提供)

博報堂プロダクツとLGディスプレイジャパンが、先進ディスプレイを活用し、コンテンツの適切な配信やコンテンツのリッチ化等の顧客体験価値を向上させることが可能に。「スマートシェルフ(インセル型タッチパネルサイネージ)」、「シースルーサイネージ」の分野を強化するといいます。

「スマートシェルフ」は、GMSやドラッグストアなどの商品棚への設置、メーカー什器への組み込みで、高精細なコンテンツ体験を提供するとともに、ディスプレイから顧客が求めるより詳しい情報提供を可能にします。売場におけるクーポンなどのインセンティブ提供や拡販商品の告知などが可能に。陳列商品の産地や成分利用方法などを告知する事で、高い商品理解が期待されます。

「シースルーサイネージ」は、約39%の透過率を誇る透過型有機ディスプレイを活用します。ハイブランド、宝飾品、自動車といったカテゴリにおける売場・ショールームにおいて、商品+付加価値情報により売場体験のリッチ化を目指します。実際の商品とともに商品紹介コンテンツの表示が可能となり、より顧客体験価値を向上させます。

※参考:https://www.ryutsuu.biz/it/m090114.html

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