「非接触」がキーワードに…様々な店舗でコロナ禍の対応が進む
新型コロナウイルスの影響により進められているサービスの変化についてご紹介します。新型コロナウイルスの影響による小売店の変化や、「非接触」を中心にした事例について掲載します。
新型コロナウイルスによる小売店の変化
生活スタイルの変化による影響
新型コロナウイルスの影響で生活のスタイルが大きく変わってから、早くも半年が経ちました。その影響は非常に大きく、いろいろな形でこれまでとの違いが生まれています。例えば、私たちにとって身近な小売店であるスーパーマーケットでは、3蜜を回避する為に来店時間が分散したり、蜜を避ける為に特売を控えた結果食品価格が上昇する、新製品が少なくなる等の変化が起きています。
求められる「非接触」の対応
小売業界全体としては「非接触」がキーワードになってきているように感じられます。キャッシュレス決済やECの活用はもちろんの事、店舗に行かなくても従業員の商品説明が聞ける、反対に従業員が店舗にいなくても商品説明が聞ける等、新しいアイデアの試みも様々な小売店で試験運用されており、今後益々そういったサービスが増えていきそうです。
参考:日経MJ 10月16日 3面
活用事例
アバターを活用した事例(アバターを通したスタッフとのコミュニケーション)
東急ハンズは10月から、NTTデータ協力のもと、アバター(自身の分身)を介して遠隔地から商品を提案/訴求するデジタルストアの実証実験を行います。
第1クールは10月16日~11月15日に、渋谷、新宿、池袋、梅田、博多の各店で実施。特設ブースを設営し、美容やコスメの専属スタッフ・ビューティコンシェルジュや商品に詳しいスタッフがアバターを介しお客様の要望(商品の使用用途や肌悩み等)に答えます。第2クールは11月16日~12月15日、渋谷、新宿、池袋、博多店等に、特設ブースを設営し、商品実演専門のスタッフがアバターを介しお客様の要望を聞き、オススメ商品を案内します。
自社の持つさまざまな商品・接客ノウハウを備えたスタッフがアバターの「中の人」となり、お客様にとっての非対面という距離確保の実現のみでなく、遠隔地においても商品知識を持つスタッフの接客を受けるという新しい体験が実現します。また、「中の人」は、オフィスのみでなく、テレワーク環境下等、さまざまなロケーションから接客を行うため、「店頭でお客様と接客スタッフが対面して初めて接客コミュニケーションは開始される」という従来の前提条件を排除し、スタッフをより柔軟にアサインできる新たな接客コミュニケーションのあり方を生み出すと共に、スタッフの働き方の多様性も実現しています。
動画テクノロジーの事例(動画にタッチして商品をカートに入れられる)
消費者の店舗訪問が減少し、動画からのEC誘導やLIVEコマースが広がる中、パロニム社の動画テクノロジー「TIG」が注目されています。動画に現れる「モノ」「コト」をタップ(動画を直接タッチ)すると、カートにお気に入りとして保存され、動画視聴後に商品をじっくり選ぶことができます。
視聴者は感覚的に興味のあるものにタッチし、簡単に商品をカートに入れられる利便性を実現します。それに伴い提供者側は高い視聴完了率・商品閲覧率を期待することができます。動画を最後まで見てから商品を閲覧するユーザーが増える為、動画でブランドイメージを追求するのに効果的で、動画を止めずにカートに商品をストックできるのも利点となっています。
TIGを導入している企業の測定では、動画視聴完了率が10%から45%に、情報遷移率は45%を記録する等の効果が出ています。
デジタルサイネージ・AIカメラの事例(デジタルサイネージの幅広い活用に注目)
新しい生活様式が定着し非対面、非接触のニーズが高まる一方、自粛生活によるストレスも増えています。こうしたことから今後、デジタルを活用した利便性の高いサービス、快適な買物環境などが求められると考えられます。それに伴い、イオンリテールは、リアルとデジタルを融合した各種設備の実証実験を開始します。「イオンスタイル有明ガーデン」で、デジタルサイネージ、カメラを通じたAI技術を活用し、顧客の購買行動を可視化。新たな顧客接点の創造や楽しく快適な買物環境の提案、店舗オペレーションの効率化等を検証するものといいます。
商品棚に動画配信できる「ビデオレール」を活用し、商品と販促が連動した提案を実施。コンテンツ内の2次元バーコードから商品やレシピ紹介、将来的にはオンラインショップへの遷移を行うことでOMOの取り組みを推進します。
今後、店内に設置したデジタルサイネージで商品加工・調理など、ライブ配信を行うことで、非対面・非接触でも体験できる買物の楽しさを提案するといいます。また、店内に設置したカメラとAI技術を活用し、滞在人数把握と年齢認証対応を行う等、これまで人が判断し対応していた業務を自動化し、従業員の負担軽減を目指します。
タッチパネルの事例(タッチパネルをタッチせずに使える)
プラネット社は非接触パネル「ATEMS AirSensor“W”」について、ウェンディーズ・ファーストキッチン下北沢店で実証実験を開始しました。既設の同社「ATEMS Foodセルフレジ」のモニタ周囲に、後付け「ATEMS AirSensor“W”」を取り付けることで、「ATEMS Food<非接触>新型セルフレジ」にリニューアルできます。
セルフ画面に「直接タッチ」することなく、感染リスクへの安全・安心対策として店舗価値の差別化が図れるとされています。また、決済手段には現金以外にウェンディーズ・ファーストキッチンのハウスカード「My First Card」やクレジットカード・電子マネー・バーコード決済も選択でき、注文から決済まで非接触・非対面・キャッシュレスで完了することが可能になります。