『働き方改革』いよいよ本格化!システム活用で働きやすい環境を作る!
今年社会的に注目を集めている「働き方改革」についてご紹介します。改正労働基準法についてのご紹介、システム導入による働き方改革として2社の事例を掲載します。
「働き方改革」がスタート!!
4月1日より順次「働き方改革」関連法が施行されます。労働者が多様な働き方を選択できる社会を総合的に推進するため、長時間労働の是正や柔軟な働き方の実現、公正な待遇の確保のための措置が以下のように講じられます。
※中小企業における猶予措置や期間、また、詳細な改正内容等につきましては厚生労働省のサイトよりご確認ください
- 時間外労働の上限規制の導入
月45時間年360時間を原則として臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定しなければなりません。 - 勤務間インターバル制度の普及促進
前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努めなければなりません。 - 産業医・産業保健機能の強化
産業医に対し適切な業務活動のため必要情報を提供し、健康確保対策や環境整備の強化を図らなければなりません。 - 年次有給休暇の確実な取得
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、使用者は毎年5日の時季を指定して有給休暇を付与しなければなりません。 - 雇用形態による労働者間の不合理な待遇差の禁止
同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間で、基本給や賞与等の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。 - 高度プロフェッショナル制度の創設
高度の専門的知識を必要とする業務に従事し、職務の範囲が明確で一定の年収(年収1075万円以上を想定)を有する労働者を労働時間の規制から外す仕組みとなります。通称「高プロ」と呼ばれております。年間104日の休日を確実に取得させること等を要件として各割増賃金等の規定適用から除外されます。事実上の残業制限がなくなり、勤務時間に縛られない働き方が可能になるとされておりますが、労働者が法の保護下から外れてしまう恐れがあるため今後の動向に注目されております。
企業・社会的な課題の解決を目指す実際の事例
昨今、ITシステムやツールの導入は単に業務の効率化だけに留まらず、前述しましたように労働者の働き方を変える役割として機能することが期待されております。当たり前とされていた、あるいは、ルーティンワークとして位置づけられて業務の見直しやこれまで共有化を図ることが難しかった個々人のノウハウを集約し、企業、そして、社会的な課題の解決を目指す実際の事例をご紹介いたします。
システム導入よる働き方改革事例;ブルボン(AIを搭載したラストワンマイル管理による配送ルートの最適化)

株式会社ブルボンと株式会社オプティマインドは、2019年1月よりブルボンが運営管理する自動販売機の配送ルートの最適化により業務改善、働き方改革や人員不足への対応の実用化に向けて共同で実証実験を開始しました。
オプティマインドが開発した配送ルート最適化クラウドシステム「Loogia(ルージア)」を投入し、自動販売機から収集する商品の販売データから算出したメンテナンスの優先度を基に、AI(人工知能)により「どの車両が、どの自動販売機を、どの順に回るのか」という配送ルートの最適化提案をするとのことです。
「Loogia(ルージア)」とはAIを活用しラストワンマイルの配送ルートを短時間で計算するクラウドシステムです。複雑な条件や現場制約を考慮しながら数分で配送計画を作成し、効率的なルートを提供します。実走データをGPS等から取り込み学習させることで、より精度の高いルートの算出やベテランドライバーのノウハウの共有を可能とします。ドライバーの勘や経験への依存を減らし、新人のレベルを底上げすることで、ベテランと同等に効率よく配達ができることを支援するシステムとのことです。AIを搭載したラストワンマイル管理でルートの最適化を図ることにより、作業効率の向上による働き方改革を目指し、技術力の均衡化、最適なルート選択といったこれまで共有化を図りにくかったことが解消され総体的な生産性の向上と適正な人員配置に寄与することが予測されます。
※参考:https://www.bourbon.co.jp/static/pdf/20181213optimindaikatsuyouhaisouroutepressrelease.pdf
システム導入よる働き方改革事例;イオンリテール(150店にインカム6000台を導入)

イオンリテール株式会社は、150店舗に合計6000台のインカムを導入し、店舗スタッフの「働き方改革」を推進しています。シアンス・アール社が開発した、音声でリアルタイムに情報共有ができるスマホIP無線サービス「Aldio」を採用し、従業員のコミュニケーションの改善を図りました。
インカムの使用により「人・物・場所」を探すために掛かっていた時間を、半分以下に削減することに成功しました。本来必要となっている「接客対応やサービス」を根本的に見直すことが可能になったとのこと。
店舗の従業員からは「お客さまからの問い合わせにスマートに対応できるようになった」、「店内で起こっている事象(レジ混雑や事件・事故など)が分かりやすくなった」など、当初の想定以上の効果を体感しているとの声がいくつも 挙がっているようです。ストアオペレーション部の竹内哲平氏は、「お店ではいま、人が居ないということでAldioを入れてカバーしようと考えている。効果として、移動や人を探す時間、商品を探す時間のすべてが半分になっている」と述べられています。
今後は、導入店舗数・利用対象者の拡大を検討するほか、Aldioの機能である「パラレル翻訳」の活用を検討しており外国籍の従業員やお客さまとのコミュニケーションの向上も 想定しているとのことです。