今月は新しい年の始まりとして、消費行動の変化を整理し、新たな顧客獲得に向けた各企業の取り組みをご紹介します。
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近年の生活環境や価値観の変化による消費行動の変化のご紹介
消費行動は時代とともに変化している
消費文化の萌芽である高度成長期(1965年~1973年)から「モノ消費」と言われる消費行動が始まり、バブル経済期(1986年~1991年)まで続きました。その後、市場が成熟化し、モノが満ちあふれた90年代以降には「コト消費」に消費者の関心が移り、近年はさらにそれが進化した「トキ消費」、そして最新の潮流である「イミ消費」「推し活消費」が注目を集めています。
「モノ消費」から「コト消費」へ

バブル経済崩壊によりモノへの欲求が冷め、「豊かな暮らし」には「可処分時間を『富』と定義する体験」が欠かせないという考え方が広まっていきました。すなわち、商品やサービスの購入によって時間や体験を消費する「コト消費」です。モノ消費が商品の「機能的価値」に対価を払っていたのに対し、コト消費は「体験的価値にお金を払う」ものです。
<出典:https://aladdin-office.com/column/column47/>
Z世代が先導する「トキ消費」と「イミ消費」

「トキ消費」は、「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ消費」で、「非再現性」「参加性」「貢献性」という3要件をもちます。つまりトキ消費における価値とは「参加の価値」であり、「人と一緒に生み出すトキに参加したい」というニーズが根底にあります。 「イミ消費」は、「ある商品を消費することで生まれる、社会貢献的側面を重視する消費行動」を指します。例えば「環境保全」「地域貢献」「フェアネス(正義)」「歴史・文化伝承」「健康維持」などがキーワードであり、「自分がどうありたいか?」あるいは「どうあるべきか?」を考えて消費活動を行うという特徴があります。背景としては、2011年の東日本大震災による被災地支援が始まりとされており、「社会正義的消費観」によって、他者支援・地域復興活性化に貢献しようとするものです。また、SDGsの取り組みが高まり、環境保全やフェアトレードなどが注目されたこともそれを後押ししています。
<出典:https://aladdin-office.com/column/column47/>
「推し活消費」とは

「推し活」とは、ファンとして好きな存在を応援する活動を指す言葉で、近年注目を集めています。大好きな存在を意味する「推し」や、応援を意味する「推す」などから派生した言葉となっています。「推し活消費」の具体的な内容としては、コンサートやイベントに行く、関連商品を購入することで、応援する活動です。また、推しに関する内容をSNSに投稿するのも、その一環です。 消費者全体のうち約3分の1(35.0%)が「推し企業」を持っています。なかでも若年層ほど「推し企業」を持つ傾向が顕著で、Z世代の消費者は約半数に達しています。物価高でも「推し企業あり層」の約5割が「推し企業の商品は値上げしても買い続ける」と回答しています。「推し消費」は消費活性のドライバーになっています。 「推し企業あり層」の約3割が20%以上の値上げを許容すると回答しています。さらに、20%以上の値上げを許容する層はZ世代が一番多い結果となっています。企業主催のコミュニティやイベント参加経験者は、82.3%が「愛着・購買頻度が増えた」と回答しています。企業との相互コミュニケーションが実際の購買行動に結びつくという結果になりました。「Z世代」とは、15〜29歳の若年層と定義されています。
<出典:https://www.commercepick.com/archives/78532>

企業の推し活として具体的に行っている行動について尋ねた結果、「家族や友人・知人に推しの企業・商品/サービスについて推奨すること」が全体の49.0%、「企業の公式SNSをフォローすること」が30.8%となりました。この結果は、ファンが単なるリピーターに留まらず、企業に代わって「最も信頼性の高い広告塔」として、身近な人へ熱量を持って口コミを広げてくれる存在であることを示しています。また、推し活文化の台頭によりZ世代の「推し行動」は「家族や知人に推奨する」「企業のSNSをフォローする」に次いで、「企業のロゴ入りグッズを身につける」が27.5%、「企業のファンコミュニティに参加する」が18.8%と全体平均と比較すると特筆して高く、多様化していることが判明しました。
<出典:https://www.commercepick.com/archives/78532>
小売各企業の取り組み事例をご紹介
ローソン×男性アイドル

コンビニチェーン・ローソンの「ウチカフェシリーズ」と、ジャニーズアイドルの「なにわ男子」によるコラボイベントです。このイベントでは、CMになにわ男子と俳優の松山ケンイチを起用して、双方のファンを呼び込む施策を行っている。 ローソン×なにわ男子イベントの特徴は、店内放送イベントを実施した点です。商品でコラボするのではなく、店舗に流す音声になにわ男子を起用して、推し活中のファンに来店してもらいやすい工夫をしている。また、メンバーごとに店内放送イベントの出演スケジュールを分刻みで公開しており、ファンの満足度が高まりやすいようにしているのもポイント。
<出典:https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/mkc20230425 >
<画像:https://www.lawson.co.jp/lab/campaign/naniwadanshiclub/>
三菱UFJ銀行(Buzz BANK) ×推し活グッズ販売

株式会社三菱UFJ銀行から2025年7月1日に「“好き”が毎日のチカラになる!」をキャッチコピーに、日々の銀行取引で推し活を楽しんでもらおうという趣旨でリリースしたインターネットバンキングアプリ「Buzz BANK(バズバンク)」。コラボ第一弾の相手は、株式会社バンダイナムコエンターテインメントの「アイドルマスター」。キャンペーン期間中にアプリをダウンロードして口座を開設すると名刺ケースがもらえ、さらに、一定条件を達成することで、好きなキャラクターのアクリルスタンドやはっぴを手に入れるチャンスがあるという内容。終盤のインプレッション数は特に高く、6月28日の投稿は761.6万回、6月29日は805.2万回、最終日の6月30日は584.8万回(いずれも2025年8月5日時点)と注目されていた。
<出典:https://skettt.com/column/oshikatsu-marketing-cases>
<画像:https://x.com/BuzzBANK_mufgbk/status/1939886970584637822>
タワーレコード×推し活グッズ販売

タワーレコードでは、アイドルやアニメキャラとコラボするのではなく、推し活に役立つグッズ販売をする新しい取り組みを行っている。「指さして」「3秒見つめて」と書かれたライブ用うちわや、チェキファイル、アクリルスタンド用ケースなど、商品はさまざま。推し活マーケティングの観点からすると、キャラクターやアイドルとコラボしているわけではないので、訴求力が弱まる懸念もあるが、推し活をしている人なら誰もが欲しくなるグッズを多く取りそろえており、ターゲット層は通常よりも幅広くなっている。
<出典:https://www.cross-m.co.jp/column/marketing/mkc20230425>
<画像:https://tower.jp/site/goods/recommend-goods/>
ポカリCMが「本物の青春」集めたSNSの信頼関係

先日、公開された「こんな青春やってみたい!」をテーマにしたポカリスエットのCM動画。出演しているのは一般募集の学生キャストですが、若者の生き生きとした表情が映し出されていた。そこには、コメント欄の活用や、対等、透明性といった最新のアプローチに加え、長期的な価値を大事にするブランドの姿勢が見えた。
動画は、7月14日にYouTubeで公開されると、1カ月で15万回再生された。45都道府県から集まった1060人の学生が、やってみたい青春の場面を実現させている。屋上で弾き語りしたい!制服でダンスしたい!三角関係でドキドキしたい!放課後、夜まで話したい!体育館でライブしたい!などなど等身大のものばかり。やってみたい青春のエピソードと学生キャストは、動画を通じて募集され、活用されたのが、特設サイトに加え、YouTubeとTikTokのコメント欄。YouTubeでエピソードを募集した動画は233万回再生。TikTokはキャスト募集の告知動画が1640万回再生、エピソード募集の動画は770万回再生と、軒並み100万再生を超えている。
動画のコメント欄というコミュニケーションツールの活用や、対等な立場、透明性といった、時代に合わせたアプローチが光った今回のCM。常にアップデートする姿勢と、長期の成果を見据えた視点。両者の掛け算が、若者たちの本音を引き出す唯一無二のCMを生み出したと言えるのではないか。

<出典/画像:https://withnews.jp/article/f0230827000qq000000000000000W00810201qq000026077A>
まとめ
今回は、小売業界が競争力を生むためには、顧客の消費行動の変化を意識することが重要であると考え、時代の変化と推し活を「マーケティング事例の一部」をご紹介しました。これ以外でもSNS上でのキャンペーンといった形で商品の購入特典としてキャラクタークリアファイルをプレゼントしたり、コラボイベントのフォトスポットを設置したりして、推し活マーケティングを行う企業も多くあります。ご興味をお持ちの内容についての詳細は、各サイトをご確認き、小売店の消費行動を意識したマーケティング展開の参考にして頂けますと幸いです。

