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オムニチャネルマーケティングと各企業の取り組み事例を紹介

今回は「小売業のオムニチャネルマーケティング」についてと各企業の取り組みをご紹介します。

最近注目の小売業でのオムニチャネルマーケティングとは?

オムニチャネルマーケティングとは

「オムニ」はラテン語で「あらゆる」そして「チャネル」はマーケティングの世界で「媒体」「プラットフォーム」を指す言葉です。

つまり、オムニチャネルマーケティングとは、実店舗やイベントなどのオフライン媒体だけでなく、Webサイトやアプリ、オウンドメディア、SNS、店舗、電話などの様々なチャネルを連携させて、顧客が好きなチャネルで商品やサービスを購入できるようにするマーケティング戦略のことです。

具体的には、実店舗で獲得したポイントをECサイトで使用する・スマホアプリで得たクーポンを実店舗で利用することなどが挙げられます。これにより、顧客はどのチャネルを利用しても、一貫した購買体験を享受することが可能です。

<画像:https://repro.io/contents/omnichannel-for-beginner/>
<出典:https://iridge.jp/blog/202402/35498/>

多くの企業でオムニチャネルが注目されている背景

オムニチャネルマーケティング導入が、市場で起こっている環境やニーズの変化に対応して、様々な効果を期待できるようです。

デジタルデバイスの普及

スマホやSNSの普及により、消費者は実店舗だけでなく複数のチャネルを利用するようになりました。商品を実店舗で見たあと、スマートフォンで検索し、より安いECサイトを見つけてそこで購入することも珍しくありません。顧客が複数のチャネルを利用するこの時代には、購入意欲のある顧客を逃さず、望む商品をスピーディーに提供できるオムニチャネルの導入が必要です。 オムニチャネルでは、店舗に入荷した商品についてスマートフォンにプッシュ通知を送ることで、顧客の購買行動を促せるようになります。

販売機会の損失を防げる

実店舗では在庫の保管場所に限りがあり、在庫切れを起こすことがあります。もしも、購入したい商品の在庫が切れてしまった場合、顧客はその店で待つのではなく、他社のショップで購入することがあります。 しかし、オムニチャネルを導入することによって、実店舗に在庫がないときでも、オンラインショップからその場で注文可能です。これによって在庫切れによる販売機会の損失を防げます。

顧客との接点を増やせる

オンラインショップのサービスは、送料無料や翌日配送など、顧客の要望に応じて向上しています。顧客が即時に求めるものを提供できない場合、不満が生じる場合があります。 しかし、オムニチャネルを導入することによって、店舗で商品を見せつつ、オンラインショップで自宅まで配送することも可能です。このことから、オムニチャネルは、顧客との接点を増やすことにもつながります。

小中事業者のほうが導入ハードルが低い

オムニチャネル施策は、10店舗程度の小中規模事業者に適しています。この施策の実施において最も困難なのはPOSデータの連携です。多くの場合、POSの筐体とソフトウェアが異なるメーカーから供給されており、バージョンアップ時にソフトウェアが変わることがあります。 そのため、時期によってPOSデータの基盤が変わり、統合が難しくなりますが、店舗数が少ないほどこうした課題に柔軟に対応することが可能です。

<出典:https://www.future-shop.jp/magazine/omnichannel-success-stories#i-2>

各企業の取り組み事例をご紹介

オムニチャネル成功事例から学べる5つのポイント

オムニチャネル成功事例から学べるポイントには、以下の5つが挙げられます。これらをイメージして事例をご覧ください。

  • 顧客に提供したい価値や体験を明確にする
  • シームレスな運用体制を構築する
  • 社内の意識を統一する
  • オムニチャネル向けの評価制度を確立する
  • 横断的に管理できるシステムを導入する

<出典:https://www.future-shop.jp/magazine/omnichannel-success-stories>

CS向上とコスト削減を実現/ジョインテックス 様

ジョインテックスは、2003年にスマートオフィス事業を立ち上げた流通カンパニーで、法人向けにコスト削減などの提案営業を行い急成長している企業です。顧客に提供する商品やサービスの種類が膨大であるため、データの管理や適切な商品提案、また効率的な受発注システムの構築が必要でした。オンラインとオフラインを融合させたオムニチャネル戦略を実現し、顧客の期待に応える最適化されたカスタマージャーニー (CJ) を提供しました。専門知識を持つスタッフやコールセンターによるコンサルティングとリアルタイムな顧客対応により、顧客満足度 (CS) を高めています。また、適切な商品提案と効率的な受発注システムにより、効率的な業務運営とコスト削減を実現しました。

<写真:https://www.jointex.co.jp/entrance.do>
<出典:https://callcenternavi.jp/connenavi/note/4665/#ジョインテックス(卸売業)>

スマートフォンアプリ「MUJI Passport」/無印良品 様

良品計画が運営している無印良品では、スマートフォンアプリ「MUJI Passport」をリリースしてオムニチャネル化を成功させています。このアプリに搭載されているのは、店舗検索や在庫検索などの機能。特にお客さまの心を掴んだのが、マイルと呼ばれるポイントを貯められポイントプログラムです。レジでの会計時にアプリ起動によって表示されるバーコードを読み込むだけで、ポイントが反映されます。また、ポイント(マイル)によって会員ランクとボーナスポイントが付与。さらに誕生日月などにはリマインドとポイントプレゼントが提供されるなど、アプリひとつで顧客管理と在庫管理、そしてファンを作ることまでが一元管理されるという仕組みです。

<出典/画像:https://www.hitachi-solutions.co.jp/digitalmarketing/sp/column/oc_vol02/>

スタジアムの観客動員数が大幅増/オリックス・バファローズ 様

 近年、テレビの野球中継は視聴率が右肩下がりの状況です。野球ファンであれば、地上波で観戦できる野球中継が減ったことはご存知かもしれません。しかしその一方、オリックス・バファローズはスタジアムの観客動員数が、ここまでぐんぐん伸びてきている。【2021年からの年平均成長率(CAGR)171%】 オリックス・バファローズは以前から、ファンクラブやイベントの開催、ダイレクトメールなどの広報活動を行っていました。しかし、各部門がそれぞれ独立して施策を打っており、相乗効果の好循環が生まれない状況となっていたのです。 そこでファンクラブやチケット販売、会場・店舗、ECサイトでのお客さまの行動をデータとして、一元管理する仕組みを導入。各部門のシステム・データを最大限有効活用し、めざす業務モデルで足りない部分の補完と結合を行いました。

出典:https://www.hitachi-solutions.co.jp/digitalmarketing/sp/column/oc_vol02/

まとめ

今回は、最近注目の小売業で注目されている「オムニチャネルマーケティング」をご紹介しました。購買層に普及したデジタルデバイスを活用して、顧客接点の拡大を行うことで、ECサイトに顧客を奪われることを抑えたり、実店舗への来場を増やしたり、様々な効果が表れているようです。小売業における「オムニチャネルマーケティング」戦略導入の取組に、どんなメリットがあるのか?事業活動のどこに着目したらよいのか?ご興味をお持ちの領域についての詳細は、各サイトをご確認き、小売店の事業価値向上の参考にして頂けますと幸いです。

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