店舗離れ・店舗減少が進む !求められる店舗集客戦略!!
今月は店舗離れ・店舗減少が進む中、今後注目される店舗集客についてご紹介します。日本・世界の小売店舗の減少状況についてと、店舗集客の3つの方法とその事例をご紹介いたします。
世界的に進む小売店舗の減少(コンビニ業界も店舗増がストップか?)
近年日本では小売・飲食の店舗数が減少しています。コンビニエンスストア・スーパーマーケット等は業界団体の集計によると、直近の店舗数は11万8千弱と2018年末比で1%減少したとのことです。人口減少に伴う需要減や働き手の不足、更にECの急速な普及等、複数の要因が重なっており今後も減少傾向が進む形となりそうです。
イオンは総合スーパーの業態を中心に不振で、19年2月期に計上した減損損失が3割増の627億円とのこと。
「小売業界全体がオーバーストア状態にある」とファミリーマートの沢田貴司社長は指摘しており、同社は19年2月期まで2期連続で不採算店を中心に店舗を減少しています。セブンイレブン・ジャパンは今期の店舗純増数は150店。なんと約40年ぶりの少なさとのことです。これまで圧倒的な勢いで店舗を増やしていた大手コンビニエンスストアでさえ、店舗減少の方向に動くことになりそうです。
世界的に進む小売店舗の減少(より深刻なアメリカでの店舗離れ)
米国での店舗閉鎖はより大規模で、調査会社コアサイト・リサーチによると19年は6月上旬までに18年5864件を上回る7222件が閉鎖したようです。小売りのEC比率が約16%と年々高まっていることが原因です。更にUBS社は2026年までにEC比率が25%まで増加するとみており、飲食店を除く7万5000店、特にダメージが大きいとされる衣料品店は2万1000店が閉店に追い込まれると予想しています。これは現在の衣料品店の約17%にあたります。
現在6.2%にとどまっている日本のEC比率ですが、今後はさらに高まるとみられており、人口減少の影響も加わって米国以上の大きな変化が生じる可能性があります。企業は店舗の数・役割をネット時代に合わせて変革するなど、事業モデルの再構築が急務とされています。
また、EC化を進めるのみでなく、どのように店舗集客をするのか、その方法は?というところが問題になっています。店舗へ来店することで得られる特典や、消費者の興味を引く広告・宣伝、またそれらを実現する為のサービスやアプリなどにも注目が集まっております。
集客方法
集客方法① サブスクリプション(頻繁な来店を促す利用券やシェアリングの活用が浸透)
近年注目されているサービスとして「サブスクリプション(サブスク)」という定額式のサービスがあります。
サブスクは、利用者がモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借り、利用した期間に応じて料金を支払う方式になります。昨今の消費者の傾向として、便利なサービスや面白いサービスに対してなら、実在する物じゃなかったとしてもお金を定期的に支払うことが当たり前になってきています。また、消費者は以前より「所有」⇒「共有」という方向にシフトするようになっており、わかりやすい例としてカーシェアリングサービスが挙げられます。
そのような中、小売業やサービス業でのサブスクサービスが増加しております。
例えばカフェであれば月額で30杯まで飲めるサービス、美容室であればシャンプー・ブロー・ヘアケアサービスが月額で使い放題等、来店率を上げる戦略として利用されているケースが多いようです。カフェであればコーヒーと一緒にケーキを、美容室であればカットも等、来店回数が増えることでプラスの売上にも期待ができます。
アパレルの場合は店舗集客とは違いますが、月額で洋服が借り放題のサービスにより来店以外での売上を伸ばす施策としても活用されています。レンタルして気に入った洋服はそのまま買い取ることもできる仕組みもあり、販売による売上にも繋がっています。
集客方法② CX戦略(NIKEの新しい顧客体験に注目)
「CX戦略」は、企業が顧客体験により消費者との接点を増やし、企業のファンを作る施策です。小売企業においても注目されている戦略であり、店舗での印象に残る特別な体験を提供することで、来店数を増やすという活用がされています。
スポーツアイテムを販売する「ナイキ(Nike)」は2018年末にインターネットとリアル店舗を合わせた「House of Innovation 000」の開店と、アプリのリリースが話題になりました。NIKEアプリでは、同社のトレーニングアプリと連動し、各ユーザーに合わせた商品を提案します。性別やスニーカーのサイズを選択し、更に興味のあるスポーツなどを選択することで、一人一人のニーズに合わせた情報を紹介し、店舗とオンラインでの購買体験を提供しています。また、店舗内の商品にはアプリで読み取れる商品タグが付いており、バーコードを読み取ることでその商品のサイズや展開カラー、在庫情報を確認することが可能です。またマネキンの下にもQRコードが設置されコーディネートに用いられた商品情報を読み取ることができます。その他にもアプリからのみ予約ができる専門家のカウンセリングなど、特別な顧客体験を用意しています。
集客方法③ SNS(消費者に興味を持ってもらえるか、気付いてもらえるか)
FacebookやTwitterをはじめとして、世界的にSNSの活用が広まっております。個人が日常を記録し共有する使い方のみでなく、企業が広報活動の一環として利用するケースも増えており、小売店でも例外ではなく店舗集客に役立てているケースがございます。例えばインスタグラムでは、ビジネスアカウントとしての登録が可能になっており、詳細なプロフィール情報を記載することができるようになります。店舗の場所や特徴を記載し、投稿する写真で雰囲気等を感じてもらうことができます。写真の世界観を統一することや、流行語でもある「インスタ映え」するオシャレな写真を投稿することが集客に繋がっているようです。
また、タグ付けとういう機能を活用し、自店の特徴となるキーワードを定め、そのキーワードに注目しているユーザーに自店を知ってもらいやすくすることも可能です。