ロイヤルカスタマープログラムと小売業の取り組み事例を紹介
今回は「小売業のロイヤルカスタマープログラム」についてと各企業の取り組みをご紹介します。
最近注目の小売業でのロイヤルカスタマープログラムとは?

ロイヤルカスタマープログラムとは
ロイヤルティプログラムとは、優良顧客に対して、商品購入やサービスの利用を継続的に行って頂くために特典を与える施策のことです。既存顧客の企業やそのブランド、商品などに対して感じる愛着や信頼、親しみやロイヤルティ(忠誠心)を高め、優良顧客との長期的なWin-Win関係を築くための仕組みです。結果として、リピート率や顧客生涯価値(Life Time Value)の上昇を目指します。
ロイヤルカスタマープログラム導入のメリット
ロイヤルティプログラムのメリットとしては、企業と顧客双方について以下のようなものが挙げられます。
企業側
- ①顧客満足度が向上する
- ②顧客の継続購入が促進できる
- ③顧客生涯価値(Life Time Value)が向上する
- ④口コミ・紹介が促進できる
- ⑤顧客データ収集と活用ができる
顧客側
- ①金銭的価値:お得感がある(ポイント・割引・限定特典)
- ②利便的価値:簡単、便利、快適感がある(会員限定サービス)
- ③心理的価値:特別待遇を受けられる(ロイヤル待遇・会員限定サービス)
<出典:https://www.fusion.co.jp/column/2021/11/indicator-for-loyalcustomer/>
ロイヤルティプログラムの種類
小売業のビジネスで活用できるロイヤルティプログラムには、以下のような種類があります。
- ①ポイントプログラム
- ②会員ランクプログラム
- ③ミッション主導型プログラム
- ④購入額ベースプログラム
- ⑤ゲーミングプログラム
- ⑥無料特典プログラム
- ⑦サブスクリプションプログラム
- ⑧コミュニティプログラム
- ⑨友人紹介プログラム
- ⑩有料プログラム
- ⑪キャッシュバックプログラム
貴社の顧客の声に耳を傾けることで、カスタマーエクスペリエンス(CX:商品やサービスを認知してから、購入、利用、そしてアフターフォローに至るまでの一連の体験)全体を改善し、ロイヤルティの高いファン層を作ることができます。従って、貴社のロイヤルティプログラムからカスタマーサポートに至るまで、カスタマーエクスペリエンスの要素を構築する際には、顧客の声に耳を傾け、注意を払い、顧客を中心に据えましょう。
<出典:https://www.zendesk.co.jp/blog/loyalty-rewards/#step-1>
小売各企業の取り組み事例をご紹介
独自のポイント制度で、顧客のロイヤルティを高める/株式会社ソシア様

医薬品やコスメを販売する株式会社ソシアは、独自のポイント制度「ソシアポイントサービス」を通じて顧客のロイヤルティを高めることに成功しています。顧客はソシアの商品を購入することでポイントを獲得できます。さらに、定期購入や体験談提供などの条件をクリアしたり、あるいはキャンペーン実施期間中に商品を購入したりすると顧客は追加でポイントをもらえます。ポイントは、商品購入時に使用したり、景品などと交換したりできます。
このように、継続購入したくなるような動機付けを行うことで、ソシアはリピーターを獲得しています。交換できる景品には食品や便利雑貨、家電製品などが含まれており、顧客が自分のニーズに合わせてポイントを活用できるようにしている点にも工夫が見られます。
<出典:https://www.shopify.com/jp/blog/loyalty-program#1>
DIY自体の熱量を高め、LTV向上を実現/株式会社カインズ様

ホームセンターチェーンの経営を主力事業に掲げる株式会社カインズ。「DIYをライフスタイル(生活文化)にする」という「DIYer100万人プロジェクト」の目指し、DIYを楽しむ人々同士がオンラインとオフラインで繋がるコミュニティ「CAINZ DIY Square」 (カインズ ディーアイワイ スクエア)を2021年11月にオープンしました。コミュニティ開設からわずか1年で大きな盛り上がりを見せています。コミュニティに参加しているユーザー様のLTV(年間購入金額)は、カインズ会員全体の平均よりも高いという結果が出ています。
<出典:https://coorum.jp/case/store/cainz/>
ブランドとの接点でロイヤルカスタマーを可視化/スターバックスコーヒージャパン株式会社

スターバックスのロイヤルティプログラムである「スターバックス® リワード」は税込54円の購入で1つのスターが付与され、年間250個のスターを集めることによって翌年上位の会員ステータスが付与されます。250個のスターを集めるためには単純計算で13,500円分の購入が必要です。
一方で、スターはスターバックスが開催する店頭イベントへの参加でも付与されます。顧客にはスターを付与することでイベント参加のモチベーションを与えているわけですが、本当の目的はイベント参加によってスターバックスでしか提供できない独自の体験を通じ、一層スターバックスを好きになってもらいたいということであり、ロイヤルカスタマーの育成にとって重要な機会と言えるでしょう。スターバックスでは、スターを購入金額だけではなくブランドが好きかどうかを測る指標としても活用することで、ロイヤルカスタマーを可視化し育成しています。
<出典:https://www.fusion.co.jp/column/2021/11/indicator-for-loyalcustomer/>
社会貢献型のロイヤルティプログラムでロイヤルカスタマー化/株式会社クラダシ

食品を中心に日用品や美容品などを販売するKuradashiは、社会貢献型のロイヤルティプログラムを採用して成功している企業です。売り上げの一部を社会活動に寄付する仕組みを導入することで、顧客が商品の購入を通じて社会貢献ができるようにしています。 購入時に支援したい社会貢献団体を顧客自身が選べる点も特徴で、環境保護や海外支援、動物保護、災害支援など、幅広い分野での社会活動をサポートすることができます。社会貢献度が数値で示されるため、貢献している実感を得られやすいのもポイントです。また、社会貢献が気軽にできる点も評価されています。顧客に対して通常の買い物以上の価値を提供し、社会全体への利益をもたらすことで、顧客の支持と忠誠心を高めています。
<出典:https://www.shopify.com/jp/blog/loyalty-program#1>
まとめ
今回は、最近小売業でも注目され始めた「ロイヤルカスタマープログラム」をご紹介しました。価格競争に陥りやすい小売業にとっては、既存の顧客から、自社に愛着や信頼、親しみやロイヤルティ(忠誠心)を高めて頂き、継続的にお取引いただくことは大変重要かと思います。ご興味をお持ちの内容についての詳細は、各サイトをご確認き、小売店の事業価値向上の参考にして頂けますと幸いです。